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2009年12月号 旬の列車で旅しよう

旬の列車で旅しよう 14[最終回]
秘境のローカル線を行く

只見線
文:松本典久
写真:レイルマンフォトオフィス

「六十里越え」と呼ばれる新潟・福島の分水嶺を走るJR只見線。夏の深緑、秋の紅葉とともに車窓の雪景色は、格別に魅力的です。豪雪地帯をつなぐローカル線に乗って、憧れの冬列車の旅へ。

降りしきる雪の中、列車は進む

只見(ただみ)線は、福島県の会津若松駅と新潟県の小出(こいで)駅を結ぶ、全長135・2キロの非電化ローカル線だ。県境に連なる山深い地域を、只見川あるいは魚野川水系の支流に沿って走っている。只見川は戦前から水力発電の盛んなところだったが、戦後の国土総合開発法によってさらに進展、車窓からも多くのダム湖を望むことができる。特に新緑あるいは紅葉に彩られた山容を水面に写し込む時期は、その美しさに息をのむような車窓が続く。
水力発電が盛んになった一因は、その地形と気候にある。河川は急峻。また流域の降水量も多い。特に降雪量は国内でも屈指。そうした条件によって水力発電が支えられているのだ。
僕が初めて只見線に乗ったのは、学生時代の春休みだった。当時、只見線は全通しておらず、小出~大白川間を1往復した。無煙化前のことで、蒸気機関車が茶色の客車の先頭に立っていた。
ちまたでは桜前線の北上がニュースになっていたが、このあたりはまだ冬だった。小出駅を出発。魚野川を渡って山間へと入っていくのだが、車窓からは何も見えない。汽車の煙に包まれていたこともあるが、実は積雪が4m近くあり、列車は雪を切り開いた溝のなかを走っていたのだ。途中下車して雪原にも立ってみたが、列車は屋根しか見えなかった。
今、ふたたび酔狂にこんな旅をしてみたいと思う。これでこそ、只見線の真価がわかるというものだ。

(後略)

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