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2010年1月号 世界遺産を撮る
世界遺産を撮る 20
ヴィースの巡礼教会ほか(ドイツ)
写真:富井義夫
取材・文:鵜木直子

(前略)
今も国内にまんべんなく残る教会や修道院、司教館、19世紀まで割拠していた300余の領邦国家の城や離宮には、ロマネスク、ゴチック、ルネサンス、バロック、ロココとあらゆる様式が見られ、それぞれの様式の傑作といわれる名建築も多い。教会や城の建設が、神の威光や教会の権威、領主の権力を象徴し具現化する唯一の手段であった時代は長く、施主たちは競って優れた建築家を招聘し、その威信を懸けた建設の指揮にあたらせたのだ。
現在31あるドイツの世界遺産は半数以上がこれに類し、さらに鉱山や製鉄所などの近代産業建造物や、近代建築の教育機関バウハウスなどのモダニズム建築物が加わったことで、そのリストがドイツの卓越した建築史を通観する体裁となっている。
これらの建築物の見所は、壮麗な外観や計算し尽くされた構造だけではない。内部を飾るフレスコ画や彫刻などにも、著名な画家や芸術家の作品が数多く残る。そこには往時の世界観や深い宗教的寓意が込められており、知識を持った上で実際に目にすると、その存在感と芸術性になおのこと圧倒される。
(後略)
富井義夫
とみい よしお●'53年東京生まれ。'88年株式会社写真工房設立。30年間に撮影で訪れた世界遺産は370ヵ所余に及び、空気感のある写真に定評がある。写真集『世界遺産 珠玉の80選』『世界遺産驚異の50選』(共にJTBパブリッシング刊)など。札幌在住。
撮影データ
フジGX680/レンズ50mm/絞りf25/シャッタースピード1s/フィルム RVP(実行感度ISO 36)/増感+2/3/三脚使用/2004年2月10日撮影
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表紙写真:
上賀茂神社の楼門
(YASUO MUROTA / SEBUN PHOTO /amanaimages)





