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2010年1月号 解体旬書
解体旬書 3
「空の旅」最新事情!
飛行船で東京上空さんぽ
取材・文:小澤啓司
写真:松澤暁生
愛・地球博や横浜開港博の際には、広告塔として上空を飛んでいたのが記憶に新しい飛行船。実は今、その飛行船での遊覧クルーズが注目されています。2010年春からは、東京都内離発着のプランもお目見えし、料金・交通アクセスともに、ぐ~んと身近になりそうな、飛行船クルーズ。飛行機よりもずっと低い高さから、東京の新たな一面が見つかるかもしれません。
中高年世代も注目!飛行船で東京クルーズ

1929年、世界一周の旅に出た、全長240mの大型旅客飛行船「ツェッペリンLZ127」が日本に立ち寄り、間近に見ようとする人々が銀座のデパート屋上に押し寄せた。あれから80年、飛行船は遊覧飛行や空飛ぶ広告塔としてだけでなく、低騒音や消費燃料が少ないなど環境への配慮や、安全性が格段に向上したことから、災害救助活動まで活躍の場を広げている。
現在日本飛行船(NAC)が運航しているツェッペリンNTは、05年に愛知県で開催された「愛・地球博」に合わせ人々の前に姿を現し、その後、飛行船=広告塔としてのイメージを定着させた。
遊覧飛行は07年11月に始まった。初回販売分のチケットは爆発的な人気を呼び、800席分が3日で売り切れた。その後、埼玉県・桶川を拠点とした東京クルーズ(90分・12万6000円~)を中心に、特に中高年世代から高い人気を集めている。一度乗船すると「次はナイトフライトに乗りたい」「別のエリアも飛んでみたい」など、リピーターとなる人も多い。
'10年春からは、東京都内を離発着地とする東京クルーズがスタートする予定。飛行時間約40分で5万円以下と、飛行船での遊覧がより身近になりそうだ。
意外に知らない!?
飛行船大解剖
「何人まで乗れるの?」「船体の中身はどうなってるの?」など、まだあまり知られていないその仕組み。日本飛行船の中山さんに、素朴な疑問から専門的な飛行船の構造まで伺いました。
Q. 飛行船の大きさは?
A. ツェッペリンNTの大きさは、世界最大です。同型の飛行船は現在、日本のほかドイツとアメリカに各1隻ずつあるだけの希少なもの。全長はジャンボジェット機であるボーイング747が約71mであるのに対し約75m、胴周りは約2倍という大きさです。
船体の大部分を占めるのが気嚢(きのう)で、浮力を得るためのヘリウムや前後のバランスを調節するための空気などが入っています。骨組みを持つ準硬式飛行船であることも大きな特徴です。
Q. どうやって飛ぶの?
A. ツェッペリンNTはヘリウムによる浮力とエンジン+プロペラの推進力によって、自由度の高い飛行が可能です。乗船前に体重や荷物の重量を申告する必要があるのは、適切な浮力を得るためです。これに合わせ、水や鉛など重量物によって総重量を調節するわけです。
ツェッペリンNTの最高速度は125㎞/hですが、通常の巡航速度は65~85㎞/h。一定の位置にピタリと止まるホバリングもできます。
通常の飛行高度は、上空300~600m。東京タワーの高さが333mですから、航空機としてはかなりの低空を飛んでいます。海上や湖上では地上の人の声も聞こえるくらいの低空を飛ぶこともあります。
Q. 安全性は大丈夫?
A. ツェッペリンNTは、とても安全な乗り物です。ヘリウムは不燃性で人体にも無害。気嚢の外皮はワイシャツの襟の厚み程度で、触ってみるとバスケットボールを少しやわらかくした感じですが、新素材の合成繊維でできており、軽量化と強靱化が図られています。万一エンジンに不調が起きても、ヘリウムによる浮力があるため、安全に地上に戻ることができます。
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表紙写真:
上賀茂神社の楼門
(YASUO MUROTA / SEBUN PHOTO /amanaimages)





