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2010年1月号 不調と未病のサイン
東洋医学でキャッチする
不調と未病のサイン 3
取材・文:湯浅真弥
病は体の外から入り込む"邪"が引き起こす、と東洋医学では考えます。邪への防衛力を高める漢方薬は、インフルエンザの感染予防にもおおいに有効です。
インフルエンザ
かぜやインフルエンザにかかりやすい ―― Hさんの場合
メキシコから世界に広がった新型インフルエンザが、日本でもパンデミック(大流行)になってしまいました。
11月からようやくワクチンの接種が始まりましたが、政府が用意したワクチンは約7700万人分で、接種には優先順位がつけられています。妊婦、重症化の恐れがある基礎疾患をもつ人、そして幼児などや65歳以上の高齢者の順となっていますから、65歳未満の中高年はかなり後になるかもしれません。それでなくても、毎年のようにインフルエンザやかぜにかかっていたHさん(60歳)は、何とか有効な予防法はないかと考え、東洋医学に活路を求めることにしました。
体の外部から邪(ジャ)が体内に侵入して病気は起こると東洋医学では考えます。様々な種類の邪があり、インフルエンザやかぜのような病気は風(フウ)の邪によって引き起こされることが珍しくありません。風邪(フウジャ)を「かぜ」と読むのはそのためです。
Hさんのようにかぜにかかりやすい人は、体表の防衛力が弱いため、邪が侵入しやすくなっています。Hさんには、玉屏風散(ギョクヘイフウサン)が処方されました。この薬は、体表の防衛力を高めてくれます。西洋医学でいうところの免疫力を高めますから、インフルエンザやかぜの予防には最適でしょう。その他、板藍根(バンランコン)も有効です。
不幸にもインフルエンザやかぜを発症した場合は、まず弁証を行ないます。弁証とは、邪の種類をはじめとして、邪に対する患者の反応や体質などを考慮することです。漢方薬には数多くの種類がありますから、弁証をして、もっとも適した薬を選択する必要があります。
弁証を誤れば、漢方薬を飲んでも、咳や鼻水を止めるという対症療法の薬とは異なりますから、症状がとれないばかりでなく、かえって悪くなるといったことにもなりかねません。患者自身の判断で服用することも慎んでください。
(後略)
新井紀元先生
あらいとしもと●東京大学医学部卒。独協医科大学脳神経外科助教授、栃木県立がんセンター脳神経外科医長を歴任。北京中医薬大学東京校卒。同大学東直門病院で研修。現在、新井五行堂醫院院長。http://www.arai-kanpo.com
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表紙写真:
上賀茂神社の楼門
(YASUO MUROTA / SEBUN PHOTO /amanaimages)





