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2010年2月号 坂本龍馬 早分かり基礎知識

坂本龍馬 早分かり基礎知識
文:木村武仁

わずか30年余りの生涯をめまぐるしく飛び回った龍馬。とくに20代後半から晩年にかけて、わずか数年の間に成し遂げたことは、あまりにも多彩だ。ここでは、龍馬の人物像とその功績、ゆかりの地など、龍馬をたずねて旅する前に知っておきたい、いろはの"い"を学んでおこう。

【その1】坂本龍馬が愛されるワケ

龍馬の名前が今も語り継がれているのは、その業績の素晴らしさだけでなく、龍馬の人間性が愛されているからだろう。元海援隊士の関龍二は、「(龍馬は)赤子のように愛すべきところがあった」、「温厚で嫌味なところがない」と証言している。
また龍馬は子供や女性などに優しく、同志にも細かな心遣いができる男だった。とても子供好きだったようで、道端に子供がいるのを見かけると、そばへ寄っていき『早く大きくなれよ』と声をかけたり、頭をなでたりしてかわいがった。子供からも好かれ、まとわりついて離れなかったという。このように龍馬が弱者に対して優しいのには理由があった。なぜなら10歳を過ぎても寝小便が治らず、幼少期の龍馬は弱虫・イジメられっ子だったからである。だからこそ自分の弱点を自覚し、人の痛みがよく分かったのではないだろうか。
他の龍馬評を紹介すると、寺田屋登勢(とせ)の娘・殿井力(とのいりき)は、「のんき坊主」と語り残している。土佐特有の温暖な気候や、おだやかな太平洋を見て育ったという環境が、龍馬を楽観的で明るい性格にしたのだろう。龍馬など土佐の志士を描いた絵師の公文菊僊(くもんきくせん)も、「龍馬は袴のひだなどおかまいなしで、墨が手に付くと袴になすりつけて拭いていた」と、おおらかで小さなことにはこだわらない龍馬の姿を伝え残している。

(後略)

木村武仁

きむら たけひと●1973年京都生まれ。幕末~維新の専門博物館、京都・霊山歴史館学芸員。各所のカルチャー講座講師や、時代考証なども手がける龍馬関連のスペシャリストで、著書に『ようわかるぜよ!坂本龍馬』(京都新聞出版センター)『もっと知りたい坂本龍馬』(日本実業出版社)など。

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