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2010年4月号 ノジュールカルチャーカレッジ
短期集中誌上講座
ノジュールカルチャーカレッジ
近世の城を歩く(最終回)
城講座の最終回は、読者アンケートで最も人気の高い世界遺産の姫路城に的を絞り、城の見方やここでしか見られない見所をご紹介します。

石垣から見る姫路城
さて、今回は「近世の城を歩く」の実践編として姫路城を歩いてみましょう。姫路城といえば国宝4天守のひとつであり、世界遺産に登録された日本を代表する城郭です。その見所は決して天守群だけではありません。ここではそうした姫路城の見所について紹介したいと思います。
まずは石垣について見て歩くことにしましょう。お城というと有名な城主の時代にすべて築かれたものと思われがちですが、築城後長い年月をかけて増改築が行われており、その痕跡は石垣に見ることができます。姫路城は天正8年(1580)に羽柴秀吉によって築かれますが、その後慶長5年(1600)に池田輝政によってほぼ現在の姿に改修されます。下山里丸(しもやまざとまる)の石垣は石材が小さく、粗割りされたものばかりが積み上げられており、姫路城のなかでは最も古く、秀吉によって築かれた石垣です。
備前丸に構えられた備前門の石垣の隅石は見事な長方形に加工されています。実はこの石材は古墳に埋葬されていた石棺を転用したもの。姫路城には数多くの石棺が石垣に利用されていて、どこに用いられているのかを探すのも楽しいです。修理のためにはずされた石棺が、"り"の二渡櫓(わたりやぐら)に展示されているので、お見逃しなく。
菱の門を入って右手にある三国堀は、天守群を撮影する最高の場所です。ところがその三国堀の石垣をよく見ると石垣に継ぎ目があり、元来あった堀を埋めて石垣を増築した痕跡と分かります。こうした継ぎ目は"り"の一渡櫓の石垣などにも見ることができます。
(後略)
中井 均先生
なかい ひとし●1955年生まれ。米原市教育委員会退職後、城郭研究、執筆活動に専念。現在はNPO法人 城郭遺産による街づくり協議会理事長、同志社大学、龍谷大学非常勤講師。主な著書に「近江の城─城が語る湖国の戦国史─」(サンライズ出版)、「城郭探検倶楽部─お城の新しい見方・歩き方ガイド─」(共著/新人物往来者)、「カラー版徹底図解 日本の城」(新星出版)など
今回の「近世の城を歩く・実践編講座」は、去る2月23日に姫路城(兵庫県姫路市)を舞台に開講。多数のご応募の中から、抽選の上10名の読者にご参加いただきました。講座当日は、桜の蕾も開きはじめる好天。天守はもちろんのこと、普段はなかなか注目しない中堀や外堀も、中井先生の解説で立派な見どころになりました。
参加者の皆さんは、前回までの本誌と照らし合わせながら説明を聞いたり、メモを取ったり、写真に収めたりと熱心なご様子。城の見方を知り「これからの城歩きが楽しみ!」とうれしい声があがりました。
※「近世の城を歩く・実践編講座」の読者参加に多くの読者の皆様からご応募いただきました。この場をお借りして、御礼申し上げます。
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表紙写真:
東京空撮(松澤暁生)





