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2010年6月号 読者がつなぐ鉄道一筆書きリレー

読者がつなぐ鉄道一筆書きリレー 6
南東北、関東縦断 桜と花の旅
大谷津孝祥さん●栃木県在住

今回のルートは、杜の都仙台から、一気に東京を目指します。東北本線から桜の名所の水郡線を南下していきます。しかし、今年の春は低温のせいか、桜の開花も遅れ気味。地元の人も困惑する中、どのような花風景に出会えたのでしょうか。

[1日目]
9:11 仙台発⇒10:59 福島着

1日約10万人が利用する東北最大のターミナル駅、仙台。今回はその仙台から上野まで、春を求めて旅をしようと思う。
まずは阿武隈(あぶくま)急行の「ホリデー宮城おとぎ街道号」で梁川(やながわ)を目指す。建設工事凍結などの歴史に翻弄されながらも、今に残ったこの鉄道にはぜひ乗ってみたかった。しばし東北本線を走り、槻木(つきのき)駅で乗務員が交代する。JRの運転士は乗客への丁寧な対応が印象的で、更に阿武隈急行の運転士は指差称呼が実に格好いい。47歳になった今でも憧れる。沿線には梅が咲き誇り、残雪の吾妻小富士を背に紋白蝶が菜の花に戯れる。蕩蕩と流れゆく阿武隈川を眼下に、たおやかな東北の春を満喫した。

11:34 福島発⇒11:57 二本松着

福島駅で東北本線に戻り、桜の名所安達(あだち)ヶ原公園を目指す。安達駅を過ぎると堤の向こうに五重塔が見えたが、肝心の桜がない。桜の咲いていない桜の名所は、酒のない宴のようであまりに寒々しい。
とりあえず二本松駅で下車をすると、駅前に「桜祭り春らんまん号」なる臨時バス乗降場があった。やがてバスが到着したので開花状況を尋ねる。この辺りは「百花繚乱の夢舞台」と銘打ち、二本松にも安達ヶ原公園以外に桜の名所が多々あるそうだ。しかし、この日の若いバスの車掌は申し訳なさそうに「低温続きで生憎まだどこも蕾です。それでも今日は、市内の霞ヶ城公園で市民観桜会が開かれます」と言う。そこで予定を変更してバスの一日乗車券を購入する。乗客は私一人。
まずは「智恵子抄」で知られる、高村光太郎の妻である「智恵子の生家」で降り、造り酒屋と智恵子が描いたという油絵などを展示する記念館を見学。その後、再び同じバスで霞ヶ城公園を訪ねる。正式名称は「二本松城」。城山全体が桜に覆われ霞に包まれたように見えることから「霞ヶ城」と称される。会場内での挨拶では4500本の桜が植樹されているとの紹介があった。花はまだ蕾だが、集まった多くの市民は麗らかな春の陽ざしの中、話に花を咲かせていた。

14:42 二本松発⇒15:07 郡山着

親切な福島交通の車掌にお礼を述べ、郡山に向かう。今晩の宿は「コンフォートホテル郡山」。インターネットで予約し、1泊4800円のプランで宿泊。必要な物はすべて整い、清潔感も十分。朝食バイキング付きのこの価格は嬉しい。

(後略)

■今月のルート
仙台⇒上野 計385.0km
■これまでのルート
合計 1916.6km
※キロ数は営業キロで算出しています。また重複乗車区間を含んでいます。

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