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クルーズ初心者におすすめ

ショートクルーズ乗船記

文:柴崎朋実 写真:宮地 工

クルーズには乗ってみたいけど、いきなり長期の船旅は不安…。
そんな方におすすめなのが、1泊〜2泊程度のショートクルーズです。
乗船から船内の過ごし方まで、どんな愉しみ方ができるのか、ご紹介します。

ショートクルーズは
初乗船のチャンス
外国のクルーズ客船は、地中海、カリブ海など、特定のエリアで一定の航路に就航しているケースが多い。一方、日本の客船3隻は特に航路を定めず、ベストシーズンを迎える地域(夏の北海道や春の小笠原など)やお祭りを訪ねるなど、季節に応じてさまざまなクルーズを企画している。有名シェフやミュージシャンなどを招いた船内イベントに特化したクルーズも人気。短いコースも豊富なので、「船旅に興味はあるが、長くは休めないし、どんなものか見当がつかない」と躊躇している方にはおすすめ。

そこで今回は日本船のひとつ「ぱしふぃっくびいなす」の1泊クルーズに参加して、その愉しみ方、過ごし方をご紹介する。この船は親しみのあるサービスで定評があるので、初めてクルーズ船に乗るというクルーズ初心者におすすめだ。「キャッチコピーは『ふれんどしっぷ』です。大阪に本社があるせいか、関西のノリのざっくばらんさがあるかもしれません」と、クルーズコーディネーターの齋藤暖加(はるか)さんは微笑む。

横浜の大桟橋からボーディング・ブリッジ(搭乗橋)を通って船に足を踏み入れると、そこはホテルのロビーのような吹き抜けの空間。クルーの笑顔と「ぱしふぃっくびいなす」ではおなじみのトリオによる生演奏が迎えてくれた。客室に荷物を下ろし、船内新聞を手にオープンバーへ。目当てはサンドイッチバー。ミニサイズのサンドイッチとコーヒーでひと息いれつつ、船内スケジュールをチェックする。カジノゲーム、ダンス、コンサート、ビンゴと、1泊のショートクルーズではあるが、意外とイベントは多く、すべて体験することは難しそうだ。

出航風景を見ようとデッキへ出ると、セイルアウェイ(出航)パーティが始まっていた。続々と集まる乗客たちにスパークリングワインなどがふるまわれ、バンドの生演奏に合わせて踊り出す人たちもいて心が浮き立つ。今回は夕暮れ時だったため実施されなかったが、出航時、お見送りの人に向かってテープを投げたりペンライトを振るといった演出がある場合が多い。港によっては地元の人が集まってお見送りイベントを開催してくれることもある。出航はクルーズらしいイベントのひとつでもあるのだ。

船上にいながら
本格派のフルコースを
一般的なクルーズでは夕食は2部制で、どちらか選べる。このクルーズでは、1回目の食事中、2回目の人たちのためにエンターテイメントが開催される。逆に1回目の食事を終えた人は、2回目の食事中に鑑賞することになる。今回は2回目を希望したので、まずはショーの会場となるメインホールへ向かった。

本日の催しは、若手演奏家によるクラシックコンサート。ポピュラーソングから超絶技巧のオペラ曲まで、すばらしい歌と演奏に聞き惚れた。

終演後、メインダイニングルームへ。ウェイターに案内されて席に着くと早速、彩り鮮やかな前菜が運ばれてくる。真鯛のポアレ、和牛のローストなどのフランス料理をいただいた。

ところで料理の一皿一皿は、フロアをきびきびと行き来するウェイターが食べるペースを見計らってタイミングよく出してくれる。一斉に「いただきます」とスタートするわけではないのに、温かいものを温かいうちに供することができるのは、船が積み重ねてきたノウハウが土台にあるからなのだ。

食後はカジノゲームで何ゲームか遊び、バーで喉を潤すともう夜半過ぎ。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。

(ノジュール2017年2月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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