50代からの旅と暮らし発見マガジン

いつまでも元気に旅しよう!病に勝つカラダ 第7回

いつまでも若々しく元気に活動したいし、旅行にも出かけたい。
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腸内環境を整えよう

澤登雅一先生
(文:大政智子 イラスト:安齋 肇)

いつも疲れている、頭痛がする、肌荒れがひどい、腰痛に悩まされている、イライラしやすい、憂うつな気分が続く……。
これらが慢性的に続くなら、原因は「腸」にあるのかもしれません。
あなたが毎日食べているものが、その不調を引き起こしている可能性も……。食生活を見直して対策しましょう。

慢性的な不調はアレルギーが原因!?病気ではないけれどなんとなく調子が悪い、肌荒れや鼻づまりがひどい……。これらの不調は日常的に起こりやすいものですが、一時的ではなくずっと続いているようなら、その原因は食べ物や腸にある可能性があります。

食べ物が原因と聞くと、食べてすぐにじんましんが出たり、呼吸が苦しくなるフードアレルギーを想像するかもしれませんが、欧米の最新の研究によれば、従来のアレルギー(即時型フードアレルギー)とは別に、食べてすぐに症状が出ない潜在的なアレルギーがあることがわかりました。症状がでるのは早くても数時間後、遅い場合は数日後ということもあるので「遅発型フードアレルギー」と呼ばれています。「遅発型フードアレルギー」がやっかいなのは、消化器症状だけでなく、メンタルへの影響、倦怠感、むくみ、筋肉痛や関節痛、頭痛、口内炎など症状が多岐にわたる点です。これらはふだんから感じやすい不調なので、まさか食べ物が原因とは思わず、ほとんどの人は気がついていないそうです。しかも、従来の即時型アレルギーとはメカニズムが異なるので、一般的なアレルギー検査ではみつかりにくいのです。

9年ほど前からクリニックで「遅発型フードアレルギー」の検査を行っている澤登先生によると、ここ5年ほどでこの検査を受ける人が急増し、これまでに約2000人の方が検査を受けて、7割以上にアレルギー反応がみられたそうです。

アレルギーという自覚がないまま、健康のためにと毎日のように食べている食べ物ほど遅発型の原因になりやすい傾向があります。

例えば、「朝食はパンと卵とヨーグルトを必ず食べる」という方に、卵やヨーグルトのアレルギー反応が出やすいそうです。偏った食べ方にならないよう肉や魚、チーズやフルーツなど、いろいろな食材をまんべんなく食べるようにしましょう。

とは言え、気が付きにくい原因を検査して発見するというのは難しいもの。そこで誰もができる対策が「腸内環境」を整える心がけです。

腸のバリア機能が低下すると「遅発型フードアレルギー」が起こりやすい傾向があるので、腸内環境を整える食事を心がけると、症状の改善や予防に役立ちます。最近は、腸内環境とか腸内フローラという言葉をよく耳にしますが、まさしく、健康寿命は腸で決まると言っても過言ではありません。

腸内環境を整えて不調にサヨナラ腸内環境を整えることには、2つの目的があります。ひとつは腸内細菌のバランスをよくすることです。そのために最適なのは、納豆、ぬか漬け、みそやしょうゆなどの発酵食品を摂ることです。発酵食品に含まれている乳酸菌は、腸内の善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えてくれます。毎日の食事に積極的に取り入れましょう。

2つめは腸粘膜の状態をよくすることです。アレルギーは炎症反応の一種であり、腸粘膜の炎症が治まれば症状も落ち着きます。炎症を抑える食材の代表としては、青魚に含まれるEPA・DHAのほか、アマニ油、エゴマ油などのオメガ3系脂肪酸があります。

オメガ3系脂肪酸を摂るには、1日に1回青魚や旬の魚を食べるのが理想ですが、難しい場合はアマニ油やエゴマ油をドレッシングにしたり、ジュースに入れたりして、1日に大さじ1杯を目安に摂るとよいでしょう。

反対に、サラダ油やコーン油に代表されるオメガ6系脂肪酸は、体内の炎症を促してしまいます。調理油には炎症に関与せず、酸化しにくいオリーブ油がおすすめです。

そして、腸粘膜の新陳代謝を促す栄養素もしっかり摂りましょう。左に代表的な栄養素と、それらが多く含まれる食材を紹介しますので参考にしてください。

  • ビタミンA
    (鶏レバー、うなぎの蒲焼き、にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど)
  • ビタミンB群
    (豚ヒレ肉、牛レバー、かつおなど)
  • ビタミンC
    (ブロッコリー、赤ピーマン、芽キャベツ、レモンなど)
  • ビタミンD
    (かじき、紅鮭、黒きくらげ、さんまなど)
  • タンパク質・特にグルタミン
    (大豆、きな粉、かつお、落花生など)
  • 亜鉛
    (牡蠣、鶏レバー、赤身牛肉、ラム肉など)

さわのぼり まさかず●三番町ごきげんクリニック院長。
1992年、東京慈恵会医科大学卒業後、日本赤十字社医療センター勤務。2005年より現職。
「ごきげんでいれば125歳まで生きられる」をモットーに、アメリカの最新情報を取り入れた「病気にならない医療」を実践。
www.kenko.org/index.html

(ノジュール2017年7月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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