50代からの旅と暮らし発見マガジン

いつまでも元気に旅しよう!病に勝つカラダ 第13回

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「温活」で免疫力アップ

石原新菜先生
(文:大政智子 イラスト:安齋 肇)

1月20日は「大寒」の入り。
2月の「立春」まで続き、1年でもっとも寒い時期と言われます。
寒くなって体が冷えると、免疫力が低下してカゼをひきやすくなったり、体調も崩れがちになります。
今月は「冷え」知らずで冬を元気に過ごすための「温活」をご紹介します。

体温が下がると免疫力が低下する私たちには、カゼをひいたり、下痢をしたり、発熱したり、病気になったときに体を治そうとする力、「免疫力」が備わっています。

免疫力の主力を担っているのは、がん細胞を攻撃する要となる「樹状(じゅじょう)細胞」や、体内に入り込んだ細菌や異物を食べて消化する「マクロファージ」といった免疫細胞です。実はこれらの免疫細胞は、体温が低いと働きが低下してしまいます。そのため、冷え(体温の低下)は免疫力の低下に直結していることが明らかになっています。

逆に言えば、体を温めるだけで免疫力がアップし、さまざまな病気にかかりにくくなるということです。体温と健康との関係について、「温め健康法」をすすめる石原新菜(にいな)先生(イシハラクリニック副院長)にお話を伺いました。

一般的に、健康的な人の体温は36・5〜37度と言われています。

ところが、現代人は冷えている人が多く、平熱が36度以下と、体温が低い人が増加傾向にあります。

体温が低い状態が続くと、全身の血流が悪くなってしまいます。

血液には生命維持に必要な栄養素や酸素を体のすみずみまで運び、代謝の過程でできた老廃物(燃えカス)や毒素を回収する働きがあるのですが、血流が悪いとそのシステムが低下してしまいます。

その結果、血液中に老廃物や毒素が増えた状態が長期間続き、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を招くことになるのです。

さらに、体が冷えていると内臓も冷えてしまいます。実は、内臓のあるお腹は東洋医学では、診察のときに必ず触診するくらい大切な部分です。

お腹が冷えると内臓の働きが低下して便秘になりやすく、栄養の消化・吸収も効率よくできません。何より、お腹の冷えは免疫力の低下に直結します。

実は、先ほど紹介した免疫細胞の約6割は小腸の内壁に集結しています。お腹が冷えてしまうとそれらの働きがダウンしてしまうのです。

人間の体温が1度下がるだけで、免疫力が30%低下すると言われているので、冷えがいかに健康と直結しているかがよくわかります。

今月は、石原新菜先生のすすめるお腹を温める「温活」をご紹介します。

温めヨーグルトと
腹巻きで腸元気!
腸を温める「温活」として、最近、特におすすめなのが「ホットヨーグルト」。ヨーグルトは体を冷やしも温めもしない中性食物ですが、腸を元気にする乳酸菌が豊富に入っています。

冷たいまま食べると冷えてしまうので、温めて摂りましょう。「ホットヨーグルト」なら腸が温められるうえに、腸内環境を整えて元気にする乳酸菌が摂れて一石二鳥です。「ホットヨーグルト」の作り方は簡単。600Wの電子レンジで30〜40秒ほど加熱するだけ。乳酸菌は63℃以上だと死滅してしまうので、温めすぎないことがポイントです。35〜40℃、人肌程度の温かさを目安にしましょう。

もうひとつの腸に効くおすすめの「温活」が「腹巻き」です。腹巻きをするだけでおなかがポカポカ温まります。しかも、日中だけではなく寝ている間もするのがポイントです。石原新菜先生は「1年365日、24時間、ずっと腹巻きをしてほしい」と話しており、実際にご自身も実践しています。

腹巻きをしていれば、おなかが温まるので免疫細胞の働きが活発になって免疫力がアップします。

冷え症が改善するのはもちろん、「便秘が治った」「むくまなくなった」「よく眠れるようになった」など、さまざまな効果があります。

腹巻きの素材は綿や絹、化学繊維などなんでもかまいません。日中はアウターに響かない薄手のもの、夜は厚手のものなど、1日のなかでシーンに応じて使い分けるといいでしょう。

ただし、肌が弱い人は、化学繊維のものではなく木綿や絹など天然素材のものを選んだほうが安心です。

なかでも、絹の腹巻きは保温性が抜群。薄くてもポカポカして温め効果は十分です。吸水性がいいので汗をかいてもむれません。また、薄くてアウターに響かない点も魅力です。

おなかが温まれば、免疫力だけでなく内臓の働きも高まるのでいいことづくめ。ぜひ試してみてください。

いしはら にいな●イシハラクリニック副院長。
帝京大学医学部卒業。医学生の頃から「温め健康法」の第一人者である父・石原結實のもとで研鑽を積む。
西洋医学、漢方医学、代替療法など総合的な診察、治療にあたる。著書に『病気にならない蒸しショウガ健康法』など多数。
https://www.ninaishihara.com

(ノジュール2018年1月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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