いつまでも元気に旅しよう！病に勝つカラダ 第15回
いつまでも若々しく元気に活動したいし、旅行にも出かけたい。
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暖かくなってくると飛びはじめる花粉。
そろそろ鼻や目がムズムズしはじめて、さっそくマスクの用意をした人もいるのでは。
花粉症の症状でも特にツライのが鼻水とくしゃみ。
今月はそんなときに有効な「鼻うがい」を紹介します。
鼻の粘膜についた花粉を洗い流す立春を過ぎ、暖かくなるのは嬉しいものですが、そんな気候に合わせてスギやヒノキの花粉も飛びはじめるのが悩ましいところ。マスク姿の人が増え、花粉症の季節の到来を感じます。
花粉症の症状はくしゃみや鼻水、目のかゆみ、だるさなどさまざまです。特に多いのはくしゃみ、鼻水ではないでしょうか。これは、花粉症の症状が、花粉が粘膜に付着して起こるアレルギー反応だからです。鼻は、呼吸をするときに、空気といっしょに花粉をたっぷり吸い込みます。そのためどうしても鼻粘膜に付着する花粉が多くなり、症状が出やすくなってしまうのです。
今月紹介するのは、鼻から空気を吸い込むように水を吸い込み、息を吐くようにして口から水を出すことで、鼻粘膜についた異物を洗い流す「鼻うがい」です。クリニックに併設する天然温泉を用いて独自の鼻うがいセットを考案した、岩波佳江子先生（前橋温泉クリニック院長）に話を伺いました。
メカニズムはいたって単純。くしゃみや鼻水、かゆみなどのアレルギー反応を引き起こす花粉を、洗浄液で洗い流して、症状を緩和・予防します。
花粉症で炎症の起こった粘膜をそのままにしておくと、外から病原菌が入り込むのを防ぐ鼻粘膜のバリア機能が低下してしまいます。
また、鼻がつまった状態は気持ちいいものではありません。
鼻うがいをすると、花粉だけでなく病原菌や鼻水なども洗い流すので、鼻の中がすっきりします。鼻粘膜の異物が取り除かれるので、炎症が鎮まりやすくなるというメリットもあります。
さらにカゼやハウスダストの予防にも役立つので、花粉症に悩まされていなくても、季節に関係なく普段から習慣づけて行うことを岩波先生はすすめています。
鼻から水を入れると鼻の奥や耳の奥がツーンと痛むような気がしますが、それは水道水などの場合。体液に近い塩分濃度の液体で洗浄すれば痛みはありません。
ドラッグストアなどでは、鼻うがい専用の洗浄液や容器を販売しています。岩波先生が考案した鼻うがいセット「温泉びじん」（前橋温泉クリニックのＨＰで購入可能）は、洗浄液が体液とほぼ同じ浸透圧の温泉液です。
家でも作れる
鼻うがい用の食塩水市販されているものは、ほとんどがスポイトタイプの専用容器の先端を鼻に入れて「シュッシュッ」と3〜10回押して洗浄液を鼻に送り込み、鼻粘膜を洗浄するものです。
このとき、口を開けておいて、鼻の粘膜を洗い流した洗浄液を口からそのまま出します。やり方は製品によって異なるので、説明書をよく読んで使いましょう。（市販品はグリセリンなどの添加物が入っているので、指示された回数を守りましょう）
洗浄液や専用容器がなくても、自分で生理食塩水を作って鼻うがいをすることもできます。
- 生理食塩水を用意する（100ccのぬるま湯に0・9ｇの塩）。
- 鼻がつけられる程度の深すぎない清潔な容器に1を入れる。片方の鼻の孔を指で押さえながら、反対の鼻の孔を水につけて息を吸い込む要領で水を1〜3秒くらいかけて吸い込み、息を吐くようにして口から出す。勢いよく吸い込まないようにする。
- 反対側も同様に行う。
- 洗浄後は、静かに鼻をかんで鼻の奥に残った水分などを取り除く。
鼻うがいの洗浄液は1回100cc程度で。分量が多すぎると鼻粘膜の機能が低下してしまいます。1回100cc以下であれば1日に3〜4回行ってもかまいません。生理食塩水はその都度用意しましょう。
鼻うがいを経験するとクセになると言う人もいるくらいの爽快感です。
薬ではないので眠くなりませんし、だるくなるといった副作用がない点もいいところです。
ただ、勢いよく水を吸い込んだり、鼻を強くかみすぎたりすると中耳炎を招くことがあります。くれぐれもやりすぎないよう注意してください。
いわなみ かえこ●前橋温泉クリニック院長。
獨協医科大学医学部大学院卒業後、前橋温泉クリニックを開業。
天然掛け流し温泉を併設するクリニックで、「元気で若々しく楽しい人生を送る」を目標に、生活習慣病の治療、予防のためのダイエットプログラムなどを提供。
http://www.maebashionsen-c.jp/
