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いつまでも元気に旅しよう!病に勝つカラダ 第20回

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足のムズムズ 夏の水虫

仲 弥先生
(文:大政智子 イラスト:安齋 肇)

裸足で過ごす機会が増える夏に注意したいのが水虫。
保菌者は高齢者ほど多いということをご存知ですか?
今月は水虫とその対策についてご紹介します。

高齢者の半数以上に白癬菌!水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)が皮膚や爪に侵入して増殖し、かゆみや水ぶくれなどを起こす病気です。

白癬菌は高温・多湿を好み、梅雨時期から夏にかけて増殖します。

さらに、裸足ですごすことの多い夏は足に白癬菌が付着しやすく、ふだんよりも感染のリスクが高まります。

高齢者はとくに水虫対策が必須です。文京学院大学の藤谷克己教授の調査によると、65歳以上の高齢者71名と64歳以下の成人88名で、白癬菌の保菌者を調べたところ、高齢者は55%と半数以上でした。

64歳以下では9%ですからその差は目に見えて明らかです。

高齢者の2人に1人は水虫の可能性があるということですから、夏はもちろん、ふだんから水虫対策をしたほうが安心です。

今月は、仲皮フ科クリニック院長の仲なか弥わたる先生に水虫対策についてお話を伺いました。

足の指の間がムズムズする、かゆくてたまらない、かかとがガサガサしてポロポロ皮がむける、爪が白く濁っている……。これらはすべて水虫です。なかにはかゆくない水虫もあるので、自分が水虫であることに気がついていないケースもあります。

水虫かどうかは皮膚科の専門医でも見た目だけでは区別がつきません。患部の角質細胞を採取して、顕微鏡で白癬菌を確認する必要があります。

足にかゆみがあったり、水ぶくれができたりして水虫かなと思ったときには、皮膚科を受診するのが確実です。

市販の薬を使ってもいいのですが、白癬菌には複数のタイプがあり、適切な薬でないと効果がありません。市販薬を使用しても、1週間以上症状が治まらない場合は皮膚科の専門医に診てもらいましょう。

白癬菌はアカの中にいれば1年以上生きています。家族の誰かが水虫なら裸足で歩く夏は感染リスクが非常に高くなります。水虫の家族がいなくても油断は禁物。不特定多数の人が裸足で歩いているフィットネスクラブ、入浴施設には必ず白癬菌がいるといっても過言ではありません。

水虫にならないためには、ふだんから白癬菌を「つけない」「増やさない」工夫を心がけることが大切なのです。

白癬菌を「つけない」「増やさない」白癬菌はどこにでもいますが、感染力はそれほど高くありません。白癬菌が足についたから、すぐに水虫になるということではないのです。

ある実験では、白癬菌が好む高温多湿(体温に近い35℃・湿度100%)の状態でも、表面に付着してから角質に侵入するまで1日かかっています。

基本的には1日1回、足を洗うことで白癬菌の感染リスクはかなり低くなります。ただ、足に傷があるなど皮膚がダメージを受けていると、8時間で侵入したという報告もあります。

また、革靴やハイヒールなど蒸れやすい靴を履いたあとは、白癬菌が増殖しやすい状態になっています。普段から、帰宅後に足を洗うなど、足を洗う回数を増やすようにしておくと、感染予防に役立ちます。

足を洗うときは、タオルやブラシでゴシゴシこすらないようにしてください。皮膚が傷つかないよう、手でやさしく洗いましょう。

水虫の家族がいる場合は、掃除をこまめに行い、床に落ちている白癬菌を取り除きます。なるべく毎日、掃除機をかけたり、拭いたりしましょう。スリッパやマット、タオルは自分専用のものを用意します。これらは湿度が高くなりがちで、家族で共有していると感染リスクが高くなるからです。

さらに、白癬菌をつけないために、夏でも靴下を履きましょう。暑いかもしれませんが靴下を履いていないと、白癬菌がつきやすくなります。 

靴は毎日同じものを履いていると、中の湿度が高くなってしまいます。2〜3足を日替わりで履きましょう。長時間外出するときには、途中で靴を脱ぐ時間をつくり、8時間以上履き続けないようにするのも効果があります。

裸足で過ごしたいのであれば、室内でもサンダルやい草の草履など、風通しのよい履き物で過ごしましょう。裸足だと蒸れやすい布製のスリッパを履いているよりも、感染のリスクが低くなります。

なか わたる●仲皮フ科クリニック院長。医学博士。
1977年慶應義塾大学医学部卒業後、約20年間にわたり同大学医学部皮膚科で診療、真菌症の研究に携わる。
1996年、仲皮フ科クリニックを開業。2010年より埼玉県皮膚科医会の会長を務める。

(ノジュール2018年8月号からの抜粋です。購入希望の方はこちらをご覧ください。)
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